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『最後の物たちの国で』を読んだ

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ポール・オースターが好きと公言しているAprilですが、
これ、なかなか読めませんでした。
出だしの重苦しい雰囲気に圧倒され、
本棚で長い間寝かせておりました。
しかも、満を持して読み始めたら、職場で重苦しい出来事があり、
なかなか読み進められず。
私、イヤなことがあると、
全体的に閉じてしまうのです。
でも、何とかゆっくり読むのを再開していき、読み終わりました。
最初は苦行のようでしたが、
やはりそこはオースター、物語にしだいに引き込まれてゆきました。
絶望しかないと思われた国で、主人公が見出したもの。
架空の国の物語だけど、今、世界で起きていることが、ここには書かれている。

「いままで持っていた物を失ってはじめて、私たちはその物の存在に気づきます。
 そして再びそれを取り戻すやいなや、またしてもその存在を気に留めなくなってしまうのです」

素晴らしい物語です。
でもオースターを初めて読む人は『ムーン・パレス』とかからで、
これは3冊目以降が良いかも…。

by aprildiary | 2012-07-30 12:14 |